2009年02月23日

ウェイソン選択問題(4枚カード問題)


 ロジカルシンキング絡みの調べ物をしていた際に「ウェイソン選択問題(1966)」というものに出会った。

 問題は以下のようなものである。

「以下のような4枚のカードがある。『片面が母音ならば、別の面は偶数』という条件が正であると証明するには、どのカードをめくればよいか?」
4card.gif
  正解は「A」と「7」である。「A」と「4」を選択した方が多いのではないだろうか。(正解は反転)

 これは、Peter Wasonという心理学者が作った問題だ。この問題はWasonの調査によると正解率が4%ほどになってしまうという。選択する枚数などを指定すれば結果は変わるが、それでも理系大学生が回答してもあまり好成績とはいかないようだ。私も見事に引っかかった。なぜこの問題はあまりにも多くの人が間違ってしまうのだろうか。

 この問題を以下のような形に変えると、正解率はぐっと上がるらしい。

「各カードは4人を表す。『外出時はネクタイをしなければならない』と言う規則があるとき、どのカードを裏返せばこの規則が守られていることを確認できるか?」
4card2.gif

 正解は「外出」と「ノータイ」だ。
 この問題だと正解する方は多いかもしれない。問題としては先ほどと同じなのだが、抽象的ではなく選択肢に状況が与えられている。

 このことから、規則のみの情報ではなく、状況解釈の方が重要とされているという説(社会契約説)があるようだ。社会契約説は、ただ具体的状況があれば良いというものではなく、人は「社会のルールに従わないものを検知しやすい」という説である。

 ロジカル・シンキングとは若干視点の異なる問題だが、あっさり間違えるとは正直自分自身にショックである。頭が凝り固まっているようでは、困ったものだ。

 
posted by カントナ at 23:08| Comment(7) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
K,7のカードの裏に母音が書かれている可能性は確かめなくていいの?
Posted by at 2011年12月07日 15:19
Kは子音だから、関係ない。
ルールは子音については何も言っていないから、子音のカードをめくっても何も確認できない。

「在室」のときにネクタイ着用か、ノーネクタイかどっちでもよいのとおなじ
Posted by 個人投資家 at 2011年12月09日 06:00
Kの裏が母音である可能性は無視していいのでしょうか?
Posted by dai at 2011年12月09日 13:09
「そもそも初めの問題とネクタイの問題は等価ではないのでは?」と思っております。
初めの問題には「アルファベットの裏には必ず数字が書いてある」なんて条件はありませんよね。
1枚しかめくらなくてよいという答えを聞いたときは非常に驚きましたが、よくよく考えてみたところ、問題間違ってんじゃ?と思っております。
気になるので誰か意見をば。
Posted by はじめにコメントを書いた者です at 2011年12月12日 20:37
>Kの裏が母音である可能性は無視していいのでしょうか?

→Kの裏が何であろうと『片面が母音ならば、別の面は偶数』という条件とは関係ありません。
子音のカードを確認する必要はないのです。

>そもそも初めの問題とネクタイの問題は等価ではないのでは?

→等価です。
なのに、この二つの問題の正答率が異なるのはなぜか、という点が進化心理学によって説明されます。そのための例題なのです。

論理的に同じ構造を持っている問題が、状況描写によって難しくも易しくもなるという現象があります。
ウェイソンが1966年にこの現象を提唱して以来、およそ四半世紀も議論が重ねられていました。

結論が出たのは1992年、コスミデスとトゥービーの論文「社会的交換に向けた認知的適応」において、実験的に明らかにされました。
これが進化心理学の嚆矢となったのです。

>1枚しかめくらなくてよいという答え

→そんな答えはどこにも書いてないですよ。
Posted by sunset0488 at 2011年12月29日 04:51
sunset0488さん、コメントありがとうございます。

>>Kの裏が母音である可能性は無視していいのでしょうか?
>→Kの裏が何であろうと『片面が母音ならば、別の面は偶数』という条件とは関係ありません。
>子音のカードを確認する必要はないのです。
Kの裏が母音だと、『片面が母音ならば、別の面は偶数』という命題が偽(=誤り)になりますから、『片面が母音ならば、別の面は偶数』が正であるというためにはKの裏が母音でないことを確認せねばならないと思うのですが。。。

>>そもそも初めの問題とネクタイの問題は等価ではないのでは?
>→等価です。
まだ等価だとは思えません。そもそもネクタイの問題では、『在室』カードのうらに『外出』カードがある場合などは暗黙のうちに禁止されています。
でも、英数字の問題では子音の裏に母音がある可能性はありますよね。。。

>>1枚しかめくらなくてよいという答え
>→そんな答えはどこにも書いてないですよ。
でも、結果としては『片面が母音ならば、別の面は偶数』という命題の真偽を確かめるには1枚しかめくらなくてよい、というのもこの記事の主張の一部ですよね。私はそれにまず驚いたのです。そしてまだその論理が正しいとは思えない。。。
Posted by はじめにコメントを書いた者です at 2012年01月05日 19:54
すいません。
先ほどのコメントでの以下の部分は完全に勘違いでした。無視してください。

----以下、勘違いの部分。----

>>1枚しかめくらなくてよいという答え
>→そんな答えはどこにも書いてないですよ。
でも、結果としては『片面が母音ならば、別の面は偶数』という命題の真偽を確かめるには1枚しかめくらなくてよい、というのもこの記事の主張の一部ですよね。私はそれにまず驚いたのです。そしてまだその論理が正しいとは思えない。。。

----以上。----

しかし、
・Kもめくるべき。
・ネクタイの問題は英数字カードの問題と等価ではない。
と思っており、その点では記事やsunset0488さんの主張がよくわかりません。
Posted by at 2012年01月05日 20:00
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